今回インタビューをしたのはSDGsに関わる活動をされている高校一年生の金丸泰山さん(以降金丸さん)。そして金丸さんは「少年少女国連大使」として活動されていたご経験があります。そんな、金丸さんのされている活動の原動力やきっかけを今回はお伺いしてきました。
ところでこの記事を読んでいる読者の皆さんはSDGsとは何かご存知でしょうか?SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語で言うと「持続可能な開発目標」というものです。2015年に国連で採択され、2016年から2030年までの間に達成すべき17の大きな目標と169のターゲットがあります。日本でも話題になり始めているので聞いたことはある方もいるのではないかと思います。
お話をしていく中で、高校一年生という若さで将来のビジョンを持っていて、物腰柔らかい雰囲気なのですがとても強い芯のようなものを感じました。かくいう筆者も現在21歳で、比較的年齢も近いということで今までよりもよりフランクな感じでインタビューをさせていただきました。
それでは以下実際の対談です。
岩田:「本日は金丸さんの活動のことをたくさんお聞きしたいと思います。本日はよろしくお願い致します。」
金丸さん:「お願いします」
岩田:「最初にTAKURAMIでやっている活動内容について教えていただけますか?」
金丸さん:「TAKURAMIとしてやっているのは『雄三通りSDGs化プロジェクト』というものです。
僕自身が茅ヶ崎に住んでいて、茅ヶ崎の雄三通りにある店舗の人に依頼して消費者の方にSDGsを普及していくという活動をしています。
今は(雄三通りの)7店舗くらいで活動をしていて、例えばパン屋さんでは容器を用意して、それを使ってもらったら値引きしてもらったり、接骨院ではタオルの持参をお願いしたり、カフェではステンレスストローの持参をお願いしたりしていますね。今はこの状況なのでできていないところもありますが…。」
岩田:「やっぱり最近はコロナで活動は難しいですか?」
金丸さん:「そうですね…。パン屋さんではもうお客さんがプラスティックで包んで欲しいと言われてしまったりして。延期という形を取らせてもらいました。」
岩田:「あー…。でもこのコロナ下でこそSDGsを推し進められるというアイデアってありますか?」
金丸さん:「今はzoomを使ってSDGsを広める講演活動をしていますね。」
岩田:「ありがとうございます。そういえば金丸さんがSDGsに興味を持たれたきっかけって何ですか?」
金丸さん:「僕元々茅ヶ崎の海がすごい好きで(笑)。そこに溜まっていくゴミが気になって、どうしたらいいんだろうって。そんなときに学校の先生に紹介されたのが『少年少女国連大使』というもので、海外でSDGsに関する取り組みを見てきて国内に広めるという活動をしている団体なんです。
その団体で2019年度にスイスとスウェーデンに視察に行って、スウェーデンってとてもSDGsの進んでいる国なんですね。町中の一つ一つにSDGsの取り組みがされていました。
例えば、町中を走るバスが家庭ごみを用いたバイオガスであったり、ハンバーガーショップではこの商品ができるまでにかかったCO2の量が価格と一緒に明記されていたり、そのことにすごい感銘を受けて、こういう国が未来に残っていくのかなと。日本に帰国して、日本はやってはいるけれどまだまだだなと感じて、まずは地元から広めていこうと活動を始めたのがきっかけですかね。」
岩田:「昨年、僕もゼミのフィールドワークでスウェーデンに行ったんですけど、確かにSDGsの取り組みすごいされていました!ちなみにスウェーデンのどちらに行かれたんですか?」
金丸さん:「マルメに行ってきました。
そこでワンプラネットカフェというバナナペーパーを製造している会社を視察して、そこの社員の人がマルメを案内してくれましたね。」
岩田:「バナナペーパー!?」
金丸さん:「バナナって一回実ができたあとって二度と実ができないらしいんですよ。そのままになっている切り株のようなものを繊維にして紙に作り替えている会社なんですよ。」
岩田:「そんなものがあるんですね。初めて知りました…。」
金丸さん:「あはは。」
岩田:「いままで金丸さんの活動の経緯を聞いてきたんですけれど、今後どうしたいかなどありますか?」
金丸さん:「学校卒業する2023年までに雄三通りの全ての店舗でSDGsを普及させたいと思っています。目標を通じて、茅ヶ崎の人ってSDGsという言葉は知らなくても環境に対して何かしたいと思っていると思うし、環境に対してこんな問題があるなという考えを持ってもらった上で、商品や行動を選択してもらえる社会を作ることが僕の目標ですね。」
岩田:「すごい壮大な目標ですね。ありがとうございます。
そういえば、日本でも最近マイバックが推奨されたりしていますが、日本はSDGsの取り組みはまだやっていないと思われていますか?」
金丸さん:「僕も最初はそう思っていたんですが、最近になって自分の周りにも意外に活動している人がいるなと感じたり、他にも特にマスメディアは最近熱心な取り組みがされていると感じています。」
岩田:「僕も去年まではSDGsという言葉を知らなくて、最近、メディアなどで取り上げられ始めて知りました。自分も知らなかったんですが、今の若者も全然知らない人多いと思うんですよ。実際僕の弟に聞いてみたら無言で頭振られましたし(笑)若者にSDGsを広めていくにはどうしたらいいと思いますか?」
金丸さん:「実際僕が行っていることでもいいですか?」
岩田:「もちろん!教えてください!」
金丸さん:「小中学校を中心に講演会をやっています。まずはSDGsについての説明をした後に、ワークショップをやったんですね。このワークショップは朝日新聞が提唱しているもので、SDGsに関する朝日新聞の記事でどの分野が関わっているか貼っていくものなんですね。これによってSDGsはいろいろなことにタグ付けできるというか結びついているということが分かるようになります。その後にスウェーデンの話をしてそれがどれに関連するかを考えてもらいました。
今後、例えば来年から学校でSDGsが取り上げられたりすることになっていて、絶対に子供達も夏休みの宿題にしたりすると思うんですよ。そういう時に子供たちが親御さんに聞いたりすることでまたSDGsが広まるきっかけになっていくかなと思っています。」
岩田:「子供の反応はいいですか?」
金丸さん:「結構いいですね。新聞のワークショップの時も僕では気付かないような視点で判断してくれたりして。」
岩田:「小学生でもこういうことに興味を持つ時代になったんだなと思うとすごいの一言に尽きるのですが、今度は逆に大人たちに(SDGsを)伝えていくにはどうしたらいいと思いますか?」
金丸さん:「やっぱり若者が伝えていかなくてはいけないと思うんですよ。スウェーデンとかでも初等教育から親の世代に伝わっていったんですね、だから日本でも若者が伝えていかなくてはいけないと思います。」
岩田:「金丸さんはとても積極的に活動されていると思うんですけど、金丸さんが活動をする際に何か心意気というか心掛けていることがあればお教えいただきたいです。」
金丸さん:「SDGsなどの堅いものから入るというよりも、これかっこいいとかお洒落だなという気持ちから入ってみるといいのではないかと思っています。例えばタピオカを友達と飲みに行くときに、ステンレスストローを使っていることを友達に自慢してみたり、そんなところから行動は起こせるのかなと思います。」
岩田:「これ最後の質問で、他の方にも聞いている質問なんですけど、金丸さんの信条というかご自分を一言で表すと何になりますか?」
金丸さん:「キャッチコピーがあって『一人でも世界は変えられる』というものです。僕も最初はただの中学生でした。誰かに助けてもらわないとなにもできないと思っていたんですけど、商店街の人に協力をお願いしたらみんな何かしないとねと協力してくれましたし、でも自分から動かないと何も変えられないし、一人が動かないと周りも動いてはくれない、自分が世界を変える歯車になることはできると思います。」
岩田:「ありがとうございます。とても金丸さんらしい言葉ですね!
本日お聞きしたいことは以上です。とても貴重なお話をありがとうございました。」
以上が対談でした。
当日はSDGsに興味のある筆者の大学の生徒も数名参加して、金丸さんからお話を聞くことができて充実した時間でした。
記事の中では全部載せられなかったのですが、ふと筆者が「将来の夢」を聞いてみたら、新エネルギーを開発してみたいことやとにかく何かしらSDGsに関わるお仕事をしてみたいと教えてもらいました。筆者が高校一年生の時は何を考えていたかなと思うと、ご本人は全然将来については考えていないと言っていましたが将来を見据えているなと感じました。
最後にもし金丸さんの活動をもっと知りたいなと思う方はぜひ汐文社から出版されている高田秀重さんの『地球が危ない!プラスチックごみ』の三巻を読んでみて欲しいと思います。この本に金丸さんの活動が取り上げられています。その他にも環境に関することがまとめられていてお子さん向けの本ですが筆者自身もためになるようなことを知ることができました。
「一人でも世界は変えられる」
皆さんも身近なところに目を向けてみてはどうでしょうか?もしかしたらあなたが世界を変えてしまうかもしれませんよ!
今回のインタビューで、筆者も何かしたいなとエネルギーをもらってしまいました!
平塚生まれ平塚育ち。小・中・高と湘南の学校に通って、今は横浜の大学に通っています。その大学のゼミでコラボさせてもらったTAKURAMIの活動や、活動をしている皆さんの熱意に魅せられて大学生の目線で記事を書かせてもらっています。 ずっと身近に感じていた湘南・茅ヶ崎で起きている"たくらみごと"をもっと知っていきたいと思います。