舩と船が緩やかに繋がるように地域を、人をつなげたい。moyau プロジェクト

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今回はmoyauプロジェクトの市川歩さん(以下市川さん)にお話を伺いました。市川さんはご夫婦で会社をされていて、ご家族で過ごす時間をとても大切にされています。歩さん自身もお話を聞いているだけでエネルギーを感じて、なんだか元気をもらってしまいました。

市川さんは茅ヶ崎で子供と共に過ごす地域を目標にしてプロジェクトをされています。約45分間のインタビューで歩さんがこのプロジェクトを始めたきっかけや活動をされていくうえでの原動力についてお伺いしました。

舩と船が緩やかに繋がるように地域を、人をつなげていく

岩田:本日はよろしくお願い致します!市川さんの活動のきっかけと活動の原動力を是非知りたいのでたくさんお話を聞かせてください。

 まず、moyauプロジェクトの活動は何をしていらっしゃるんですか?

 

市川さん:もともとプロジェクトとしてやろうとしていたわけではなくて、家族でやっていたことをもっと地域に開こうというか、周りの大人とかを含めて活動できたら楽しいかなと。それに名前を付けたというところがあって。(moyauは)漢字で書くと“ふねへん”に方向の“方”って書いてもやうって読むんですけど(舫う)、船がゆるりとつながっている様子というか、停泊していてゆっくり繋がってるみたいな感じなので、そういうイメージで地域だったり、他の家庭とか子供も大人もゆるくつながっていくみたいな。こんな漢字素敵だよねって、いつか使いたいなって思っていてmoyauっていうのつけてしまったというかそんな感じなんです。

 

岩田:とても名前が特徴的だったので、素敵な名前の理由を聞けて良かったです!

 勝手に始まってしまったとおっしゃっていたと思うのですが、それはどういう経緯で?

 

市川さん:最初は、家で子供と一緒に子供の書いていた絵をフォトショップに持っていって、それを動かしてみるっていうことをやりました。それも自分の子供だけではなく、近所の子供も一緒にやってみたらって思いついて。そういう家族と繋がっていれば、私たちが先生になることもできるし、何か得意なことがある親御さんに先生なってもらうこともできるかなって、子供でも鉄道とかに詳しい子がいればその子を中心にやってもできるかなって。

まずは家でやっていたことを外でもできるかなと思ってチガラボで子供向けのプログラミング教室やTシャツにシルクスクリーンで好きな模様をつけてみようみたいなワークショップをやりました。でも、ただ単に普通にやるだけではつまらないので、リサイクルセンターに取材をして、どういう風にTシャツが処理されるのかを取材して、そこでリサイクルするなら気を付けなければいけないことを聞いて、どうせならそれも共有しちゃおうと思って同時にイベントで伝えました。

 

岩田:コラボレーションはよくされているんですか?

 

市川さん:今まで地域で働いていたり、行政に関わるお仕事をしたりしていたのでコネクションがあって、つながりやすいのかな?

 

岩田:行政⁉行政と関わるお仕事をされていたとは?

 

市川さん:子供が生まれる頃に、茅ヶ崎市から子育て支援のサイトを作りたいとの相談があったんですね。それは他にもやりたい人もいたので、プレゼンをして採択してもらって、茅ヶ崎市の子育て支援課と保育課と協働事業で実施しました。丁度自分も子育てに関わる時期だったので、自分ごととして情報共有することができました。茅ヶ崎市の「ちがさき丸ごと発見博物館」事業のウェブサイトも、担当課の方と一緒に協働事業として制作しました。

 

岩田:活動の中で難しいなと感じることってありますか?

 

市川さん:必ず定期的にやっているわけではないのでいい意味で自分たちのペースで、悪い意味で不定期になってしまうってことですかね。継続性が難しかったり、前やっていることと、関連性のないものになってしまうかもしれない…本来だったら定期的にやりたいんですけどね。

 

岩田:逆に達成感だったりはありますか?

 

市川さん:やりたいことをやっているので基本的には面白いし、色々な人が関わることで、今までになかった視点で物を見られたり、新しい出会いなどがたくさんあって、家の中でやるよりも地域でやるということはすごく刺激的で楽しいなと思います。

あとは、家族でやっているので、対等に物事を考えることができる感じがありますね。「家庭」を楽しいと思って欲しい。親が何かをしろという感覚ではないんですよ。

 

“自分ごと”を周りの人と共に楽しむ

岩田:すごいアクティブでエネルギーというかパッションを感じます笑。そのパワーというか原動力ってどこから来ているんですか?

 

市川さん:全部茅ヶ崎のことっていうことから見れば自分ごとですし、子育ては子育てする立場になってわかった自分ごと。子供と暮らし始めてわかったことがあって、誰かのためにというより自分たちが楽しむこと、楽しむのなら周りも巻き込んじゃおうって。そしてそう感じてくれる人が多くなればなと。

 

岩田:自分も何か始めるときに一人でやっちゃおうとするので他人を巻き込むって大切なことなんですね。

 

市川さん:他の人とやるって、もちろん一人でやった方が早いこともあるけれど、みんなでやった方が遠くに行ける、そんな感覚もあるし、いろんな人の視点があった方がより豊かなものになるって感じがします。

 

岩田:“遠くに行ける“素敵な表現でビビっと来ました!

 

教えるのではなく共に

岩田:活動をする上で大切にされていることってありますか?

 

市川さん:教えるっていうことより、自分が知りたいっていうことを掘り下げるにするようにしています。moyauも色々な人に色々なことを知ってもらう、ある人が自分の活動を通して自分のことを知ってもらうという視点でいるようにしています。なるべくみんなが同じ視点で立てるように。

例えば、小学校が休校になってしまって、三ヶ月間休校になった中で、5月から在宅にして、子供も自分たちもいるという状況の中で、いつもなら多少朝遅くなってしまってもいいんだけれど、それは子供たちに悪影響かもと考えて、朝の会を家でやってみてしっかりとやることをやろうと決めました。

でもそれじゃあつまらないし、自分たちだけでは朝の会っぽくないので、友達を呼んで朝の会をzoomでやろうと決めました。でも小学1年生だったのでママ友もあまりいなくて、クラス替えもして誰だか分からない状況なので、まずはLINEで繋がっていたママさんを誘ってみました。最初は5人ぐらいでそこから「あの子も誘っていい?」といった連鎖が起きて、最終的には40人くらいになりました。

「はじめまして」って人もいたし、子供たちも誰だこの人って思っている子もいたと思う中で、楽しくオンラインでしりとりをやったり、しかもそのしりとりは家のものを持ってきてもらう形をとってみたりとか、旅行ができなかったので、Google earthを使ってバーチャル旅行をしてみたり、あとはドラえもんの道具で何が好きかプレゼンしたり…。

自分だけがなにか喋るのではなく子供にも発信させるようにしました。ドレスコードを決めたりしてその中で共通点を見つけ出したりして、子供同士でつながりが生まれたりしましたね。

 

岩田:お恥ずかしながら自粛の時、僕自身もすごくだらけちゃって切り替えが難しかったです。

 

市川さん:そうですね、いつもだったら友達と待ち合わせをしたりして決められたるルーティンがあったと思うけれど、休校期間中は親御さんも時間をきっちり決めて子どもに行動させるのが難しい時期だったから、この朝の会を楽しみにして参加してくれる子もいて、ちゃんと起きて、ご飯も食べて、最終的には本当の学校に向けて十分ずつ集合時間を早くしてみたり。

 

好きなことをやりたいからやる

岩田:影響力がすごいですね!インフルエンサーみたいな…こういう何か周りに影響力を与えるときに勇気を出すためにどういう風にしていますか?

 

市川さん:うーん。歳を取ったから?(笑)

周りから何を言われるか気にしなくなったような気がします。好きなようにできるようになった気がします。やりたいからやるみたいな。周りの人にどうみられたいかなんか気にしないでやることが大切。

実際、親御さんにLINEする時も、知り合いなわけではなかった。一瞬躊躇して、何か言われるんじゃないかとかも考えたんですが、別にいいかなって。強制じゃないし。

 

岩田:本当に凄いです…。僕、人を誘う時凄い躊躇しちゃうんですよ(笑)

 

市川さん:そうですよね(笑)私も、文字だけなので誤解されちゃうかもしれない言い方になるかもしれないので、携帯で打たないようにしてます。座ってキーボードで打つ方が間違いがなくて、仕事感覚で打てるので実際私もしています。「こんなの送っちゃったー」とはならないように気をつけています。

 

岩田:そんな方法が…今度友達を誘うときに僕も実践してみたいです。

 

子育ては“教育”じゃなくて“思い出作り”

岩田:子育てについておっしゃっていたと思うのですが、お子さんにはどんな風に育って欲しいですか?

 

市川さん:茅ヶ崎生まれ、茅ヶ崎育ちなので、地域と関わることは楽しいことで、知り合いも多いし、知っている場所もたくさんある、今なんかは地域のお仕事をさせてもらっています。地域と関わることは楽しいってことを知ってもらいたい。

 

岩田:僕も小さい頃よく地域のイベントに参加していて、色々な人と関わって凄い勉強になってました。

 

市川さん:子供を産んだら大人になるのかなと思っていたらそんなことなくて、全然大人になんかならないし、変わらない感じもするし、どうやれば大人になるかなんて未だにわからないんですけど、でも子供が生まれて自分の子供時代のことを思い出すと、何かを教えてもらったというより、子育てってあれ一緒にやれて楽しかっただとかっていう思い出作りなんだなと思ったんですよ。それがとても大切なこと。

 

岩田:それが今の活動につながっているんですね?

 

市川さん:そうですね。たくさん思い出を作ってあげたいですね。

 

岩田:自分の子供ができたときに参考にしたいです。自分の親も同じように僕を育ててくれたと思います。

 

市川さん:あんまり子供を子供扱いしないことも大切です。実際、チガラボに連れて行って帰りは10時過ぎなんてこともありますし…(笑)それもたまにだからいいかって。

映画も洋画の字幕付きにしてしまったり。「今日はママの番だから」って。お互いにやりたいことをやるみたいな。

 

“とりあえずやっちゃえ”を地域でできるように

岩田:学生の時って何かやっていたことって何かありますか?

 

市川さん:今でこそ、大人と関わる学生さんがいるってことを知ったけれど、昔はそんなこと知らなかったし、もったいない学生時代を過ごしてしまったなと。でも一人で旅行をしたり、短大を出た後、アメリカで勉強したいって事で留学したりしました。3年アメリカに行って、初めての一人暮らしを海外でしました。

 

岩田:行動力がすごいです…

 

市川さん:思い立ったらやってしまう。とりあえずやっちゃえみたいなところはあります。

 

岩田:今後どのようにmoyauプロジェクトを動かしたいですか?

 

市川さん:今しているプロジェクトとは別に、地域で映画を作ることをしています。本当に最初から作っていて、アポ取りからストーリー決めなど。そういうことに関わってみたり。

コロナ禍で感じた、学校と連携して朝の会みたいなことを。学校の先生が個人面談に行きにくい親御さんをオンラインなどでサポートできる仕組みを作るために、教育機関がやりやすい環境を作る手助けをしたいですね。

 

岩田:その活動を通じてどんな世界を作りたいですか?

 

市川さん:今嫌なことも見えてしまうじゃないですか。それこそ誹謗中傷だとか…。でもやりたいことがある人がやりたいことをやる。やりたいことがあればやればいいじゃない、私たちはそれを手伝えるからっていう世界というか地域にしたい。地域で手伝える。親じゃなくても、子供を助けてあげられるようなつながりのある世界というか地域を生み出したい。

 

岩田:やりたいことをやるまでに一歩踏み出すということが難しいですよね…。最後に、大切にされている言葉があれば教えてください。

 

市川さん:最初の方に言ったんですけど、「急いで行きたいなら一人でやりなさい、遠くに行きたいならみんなでやりなさい」ですかね。私、とってもせっかちなんで、何かと一人でやろうとしてしまうんですが、やることの面を広くしたり幅を広げるためにはみんなでやった方が楽しいし遠くにいけると思うので、そういう言葉を心に持って活動していますかね。

 

今回インタビューをしてみて、市川さんのすごいパワーやエネルギーを感じました。それは「好きなことをやる」という原動力から来ているものなのかなと思います。しかも、たくさんの人を巻き込めるだけの影響力は市川さんの明るい性格や人柄にみんなが感化されたのかなと思います。僕も実際、45分という短い時間だけお話させていただいただけなのですが元気をもらって、何かをしたいなっていう気持ちになってしまいました。何か自分のやりたいことをしている人は輝いていて人を惹きつける力があるんだなと改めて感じました。

 

moyauプロジェクトは名前のように人と人を結び付けるためのプロジェクト。実際のご家庭でやっていたことから茅ヶ崎に広まっていくつながりの輪。しかもそれはやりたい人がやりたいことを広めていく。茅ヶ崎という場所でとても素敵な輪が広がって、もしかしたらさらに遠くへと広まっていくのかなと感じました。

 

岩田 琉汰

平塚生まれ平塚育ち。小・中・高と湘南の学校に通って、今は横浜の大学に通っています。その大学のゼミでコラボさせてもらったTAKURAMIの活動や、活動をしている皆さんの熱意に魅せられて大学生の目線で記事を書かせてもらっています。 ずっと身近に感じていた湘南・茅ヶ崎で起きている"たくらみごと"をもっと知っていきたいと思います。

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