コロナウイルスの流行から早5か月、生活は一変しました。
外に出るときはソーシャルディスタンスを保ち、どこかに移動するたびに消毒液が欠かせない新しい日常。飲食店やコンビニのレジには分厚いビニールのカーテンが引かれ、声がフィルターを通しているようで聞き取りにくい現状です。
大学生も例に漏れず、大学の授業は全面オンライン、ほとんどの生徒がミュートでカメラオフ、PCの画面には一面の黒色のボックスに名前。人の話を聞いているのにどこか機械的で冷たい感じがしています。(大学が布団から五歩のところにあるのは筆者的にはうれしいことだが)
大打撃を与えているのは授業だけでではなくて、大学生の就活も一変してしまいました。インターンはほとんどオンライン、入社面接もオンラインだそうです。就活に対して何をしたらいいか分からない大学生も多いと言っていました。
今回は、自己分析から自らの歩む道を決め、日々活動している方を紹介し、今の就活生に「自己分析」大切さを伝えられたらなと思います。
自己分析は一生続く
筆者の質問に、恥ずかしそうにそう答えたのは、キャリアカウンセラーの大西裕太さん。
大西さんはもともと一般の企業に勤めていたそうです。その後うつ病と診断され会社を休職した経験があります。その中で自らを見つめなおす時間を得て、その時はひたすらに自己分析を行ったそうです。ひたすらに自問自答を繰り返し、ノートの左ページに質問、右ページに答え、そしてその理由、またそう考えた理由、それの繰り返し…その中で一つの答えにたどり着きました。人のためになることをしたい、そのために何ができるのかと。
導き出した答え「ヒトの働き方図鑑」
きっかけはひょんなことだったそうです。ご自身の社会復帰リハビリのような意味で訪れた、茅ヶ崎のコワーキングスペースチガラボ。そこにはTAKURAMIと呼ばれる野心を持った人が多く訪れました。そこで会う人は誰もが自由で、人生を楽しんでいる人たち、そんな人たちの話を聞くうちに、こういう人の話を聞くことはかなりの成長の機会になるのではないかと感じたそうです。そんな人たちの話を図鑑のようにしてみたら面白いのではないか、それで生まれたのが「ヒトの働き方図鑑」です。
ただ単に人がどのように働いているかではなく、大西さんご自身の経験から多くの人の話を聞き、その活動を、気持ちをラジオ番組として放送して伝える、今までに100人以上の話を聞いてきたそうです。
現在は神戸のラジオ局のレディクロで番組を持っています。以前は無料のラジオ配信アプリ、ラジオトークで活動していたそうです。
「“僕にとってはどんな人の生き方も世界のどこかの人のどこかには参考になるっていうのもあると思っているので出演いただく方には本当にどんな形でも1つの会社に勤めている方でもいいですしずっと主婦を経験されてきたって言う形の生き方も聞いてみたいと思っています”」
大西さんはこうおっしゃっていました。
「全て」の生き方が誰かのきっかけになるのかもしれない、大西さん自身もそうであったように、人生何があるのかわからない…
人の「働き方」を見つめてみて
「“特別その方のこの生き方が素敵と言うよりかは皆さんそれぞれ素敵なんですよね”」
大西さんは笑顔でこう語りました。自分の魅力は自身が気付いているのかどうかであって、どんな人でも魅力を持っていて、「私には何もないんです」とやってくる人は多いそうですが、そんな人たちの顔は輝いているそうです。
「“大きく変わったと言うよりかはちょっとずつその方の人生を吸収させてもらってるっていうのが近いかもしれないですね。話を聞くたびにそんなことあるんだって。そんなことあるんだということをちょっとずついただけるのでそういうことを続けることによって思考が柔軟になるというか、発想が柔軟になるというか良いメリットがあるような気がします。”」
「実際インタビューをしている僕が一番勉強になっているんですよ」
大西さんはこのように教えてくださいました。
多くの人の生き方を聞き、1人1人の「生き方」を自分のライフスタイルに取り入れていく…それが今の大西さんの「生き方」です。
大西さんは、この「ヒトの働き方図鑑」をこのようにしていきたいと考えています。
「“今音声画面になってはいるんですけどやっぱりちょっと図鑑的な物をホームページに準備して、ネットラジオだと一回聞くのに30分ぐらいかかるのでそれをひたすら聞くのは大変だと思うんですね。なのでその興味がある方だったりとか人の生き方に触れてみたい方がご自身の興味に合わせて検索できてその検索で出てきた今の自分に近い方を、一歩先に行った方を見られるようなそんな検索機能をつけたホームページを作れたらいいなぁって思っていて、なかなか文字起こしとか結構大変なんですけどまずは自分でやってみようかなって。写真も自分で撮って別にプロでお願いしなくても自分のできる範囲でやってみようかなってそれを通じて、そうですね、新しい生き方と働き方を探している方の参考になるように活動ができたらなって思っています”」
自らの「生き方」を見つけた大西さん。今度は別の「過去の自分」の助けになる為に日々活動しています。
自らの道を見失ったときにした自己分析。大西さんは自己を見つめなおすことで本当にやりたいこと、そして自らの魅力に気付きました。自分がやりたいこと、やるべきことを見つけ、日々活動しています。
そして大西さんの活動の他の人の人生を見つけること、これも自己分析の一つ。他人の人生を通じて自らの人生を見直す、そして自らの「生き方」を創り出していく…
大西さんに大切にしている言葉を伺ってみました。少しだけ悩んだあと、大西さんはこう答えてくださいました。
「自己分析は一生続く」
本当にその通りだと思いました。普通の時ももちろんのことですがこんな目の回るような世の中で、自らの芯を通すためには自らを知ることが大切だと思います。しかもこれは一過性のものではなくて、きっとこの「自分との対話」はことあるごとにしなくてはいけないものではないでしょうか。まさに“一生続く”ものなのかなと思います。
最後にこんなお願いをしてみました。
「このご時世で将来を決めなくてはいけない就活生に何かエールをお願いします」
とても大変な経験をされてきた大西さんだからこそ聞いてみたいと思った質問です。
大西さんは
「“今なかなか就職活動とか結構厳しい情勢だったりすると思うんですけど就職活動は全然ゴールではないのでうまくいかなくても全然大丈夫です。むしろ途中からあるはずもないレールから外れてみた身からすると逆に鬱になってもよかったなーって言う部分もあったりするので、まぁ就職活動がうまくいったらうまくいったでそこからやめればいいですし、うまくいかなかったら悲観的にならずにまたそこから新しいことを経験したりすることでそのもっと自分に合う生き方っていうのが見えてくると思うので何を持ってうまくいくかうまくいったかというのをよく考えてもらえるといいのかなって思います。”」
人生は一本の道ではないし、今歩いている道が正解の道とは限らない…もしかしたら脇道が正解かもしれないし、一周回って元の道に戻るかもしれない、多くの人の話を聞いてきた大西さんだからこその言葉であると感じました。そんな複雑な人生をずっと共に歩くパートナーである自分との“対話”は欠かせないと思います。
自分の生き方を見つけられない人、そんな人は一度自分自身を見つめてみたらもしかしたら“本当にやりたいこと”を見つけられるのではないでしょうか?
平塚生まれ平塚育ち。小・中・高と湘南の学校に通って、今は横浜の大学に通っています。その大学のゼミでコラボさせてもらったTAKURAMIの活動や、活動をしている皆さんの熱意に魅せられて大学生の目線で記事を書かせてもらっています。 ずっと身近に感じていた湘南・茅ヶ崎で起きている"たくらみごと"をもっと知っていきたいと思います。